こんにちは。
那珂川町を拠点に未来に繋がる住まいづくりをしています工務店、磯建設の磯大助です。

今日で東日本大震災から9年となりました。
あっという間に9年経ってしまった気がします。
しかし福島では未だに故郷に帰れない方や行方不明者が多数います。
まだまだ被災は終わってないなと思いますし、福島や宮城などと比べるとたいしたことないですが、計画停電や物資不足等、もう二度とあんな惨状は経験したくないと強く思います。

そんな本日は『レジリエンス住宅』について書きたいと思います。

まず『レジリエンス』をググってみたところ、強くてしなやかな「強靭性」を意味する言葉。困難や脅威に直面している状況に対して、「うまく適応できる能力」「うまく適応していく過程」「適応した結果」を意味する言葉のこと。また、復元力・回復力・弾力など。また、「脆弱性(vulnerability)」という言葉の反対に位置する概念。一般的な意味のほか、「自発的治癒力」といった意味。物理学の世界で生まれ、生活の中で用いることが多い言葉のひとつ「ストレス(stress)」と共に、物理学の世界における専門用語として広く活用されており、物理学の世界で両者の概念は、ストレス(stress):外力による歪み・レジリエンス(resilience):外力による歪みを撥ね返す力という理解とありました。
いずれも『レジリエンス』とは変化があったさいに元に戻ろうとする「弾力性」や「復元力」という意味で使われています。

ではレジリエンス住宅とはどんな住宅でしょう?
定義は平常時にはエネルギー使用量を抑制しながら、非常時にも自立的にエネルギー供給が行える住宅のことを指します。スマートハウスの進化形という位置付けで太陽光発電システムや蓄電池、各部屋等の電気の使用状況等が分かるHEMS、コージェネレーション設備など再生可能エネルギー等の供給設備を備え平常時はゼロエネルギーを実現し、災害時には蓄電池や太陽光発電システム等からエネルギーを供給し自立的な生活が続けられるのが『レジリエンス住宅』です。
簡単に言い直すと、通常時・被災時共に消費するエネルギーと作るエネルギーがゼロ又は作るエネルギーの方が多く快適な生活でき、被災時や被災後も平常時と変わらず住み続けられる住宅のことです。

ここまでですと、住宅に太陽光等の発電システムと省エネ製品を採用した住宅のことだと思いがちですが実は『レジリエンス住宅』にとても大切になってくるのが、『断熱性』・『気密性』・『耐震性』といった基本性能と太陽のエネルギーを最大に活用できるようにする『太陽に素直な設計』です。

『断熱性』・『気密性』は同じエネルギー量で部屋を暖めたり冷やしたりした場合の効果や効果時間に関係し、『耐震性』はいくらエネルギー的に余裕があっても住宅が壊れてしまってはいけない等どれも『レジリエンス住宅』には欠かせないピースですが、中でも『太陽に素直な設計』は重要です。

『太陽に素直な設計』が考えられてある住宅と考えられてない住宅とでは冬は太陽の温かさを室内に取入れられる量、夏は太陽の温かさを遮る量に違いがあるため室温に差が出るからです。『断熱性』・『気密性』を良くするだけでも室内の熱が失われるのを防ぐのである程度は快適になりますが、『断熱性』・『気密性』には室内を暖める力や涼しくする力はありません。被災時にライフラインが断ち切られた等の停電時や蓄電池の不具合・電気配線の断線等で冷暖房機器が使えない場合でも太陽さえでていれば自然室温のみで過ごすこともできます。
『太陽に素直な設計』で日中に室内を暖めたり熱を遮り、『断熱性』・『気密性』を良くすることにより日中暖めた熱を外部に逃げづらくすることで室内を快適に過ごせるようにすることが重要となります。

『断熱性』・『気密性』・『耐震性』・『太陽に素直な設計』には有効期限が無いので交換等は必要ありません。
蓄電池やコージェネレーション設備等のエネルギー供給能力は蓄えられる量に限りがありますし劣化もします。ほぼ間違いなく10年から15年で入れ替えが必要になります。ちょうど運悪く入れ替え時期に被災した場合、機械設備に頼った住宅では快適に持続的に過ごすことができず『レジリエンス住宅』の定義から外れてしまいます。
そのため一度施工してしまえば解体等をしない限り性能が失われることの無い『断熱性』・『気密性』と『太陽に素直な設計』で省エネ性能を向上させ、蓄電池やコージェネレーション設備等が劣化してきても影響が最小限になるよう、依存度を最小限にしておくことが重要となります。

地震や近年多くなってきた風速50メートル以上の台風災害に対する備えも大切です。
住宅に損傷を与える震度6弱以上の地震が近年は5.1ヶ月に1回というペースで起こっているとのデータと昨年の台風19号以上の台風がこれから増えていくという予測もあります。このことからも複数回の震度7や風速50メートル級の台風に堪えられる耐震性能の住宅が大切になります。

以前にも書きましたが、耐震等級には地震の揺れに対する強さと台風等の風力に対する強さのうち、強い方の値を使うとなっておりますので、台風対策も耐震等級で判断致します。
計算方法により同じ耐震等級でも強さが若干変わりますが、大まかには建築基準法と同等性能が「耐震等級1」、「耐震等級1」の1.25倍の強さが「耐震等級2」、「耐震等級1」の1.5倍の強さが「耐震等級3」となり、等級が高いほど地震や台風に強くなります。

構造塾という「構造計算を中心とする様々な業務により、住宅業界全体の底上げを図り、安全で安心できる住宅を提供すること」を目的としたセミナーの塾長、佐藤実先生による「熊本地震現地調査報告」では耐震等級1と3では被災後の生活の質に大きな開きがあることがわかりました。
耐震等級1の住宅では、1回目の地震では住んでる方の命は守られましたが住宅の損傷が激しく住み続けることができずに平穏な暮らしができなくなり財産も守ることが出来ませんでした。
耐震等級3の住宅では多少の損傷はあったものの倒壊は1棟も無く、不自由な避難所暮らしをすることも無く、平穏な暮らしと財産が守られました。
台風対策としてはまだ風速に対する明確な資料はありませんが建設予定地のハザードマップや地形・周辺状況を確認し、水害の可能性のあるエリアの場合はエアコンの室外機やエコキュートを高い位置に付ける、排水管に逆流弁を付ける等の対策が必要です。
つまり『レジリエンス住宅』には耐震等級3以上の耐震性能と敷地や周辺の状況を確認して予想出来る災害対策をしておくことが必要と言うことです。

そうすることで災害発生時に住宅が損傷しない又は損傷しても軽微で住み続けていける程度の損傷で抑えられ、ライフラインが断たれても通常とほぼ変わらずに住宅で家族が平穏に暮らせ、被災後も被災前と変わらず住み続けられるように考えられた住宅が『レジリエンス住宅』ということです。

そのためには新築時やリフォーム時に周辺環境を調べてこれから起こりえる災害に備えた「家族が安心して生活出来る器」づくりがとても大切ではないでしょうか。

 

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